被害者参加制度

一定の犯罪の被害者やその遺族等が、裁判所の許可を得て、被害者参加人として刑事裁判に参加する制度です。
通常、刑事手続きは、検察官、被告人(弁護士)、裁判所の三者で行われます。
被害者は、供述調書という書面が提出や、証人として裁判所に出頭する形でした、刑事手続きに携わることができません。
この「被害者参加制度」を利用することによって、刑事裁判に関わっていくことができます。

どのようなことができるのか?

①原則として、公判の期日に、法定で検察官席の隣に座り、裁判に出席することができます。
②証拠調べの請求や論告・求刑など検察官の訴訟活動について意見を述べたり、検察官に説明を求めたりできます。
③情状に関する証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、証人尋問することができます。
④証拠調べが終わった後、事実または法律の適用について、法定で意見を述べることができます。

対象となる事件

① 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪
② 刑法176条から179条まで、211条、220条又は224条から227条までの罪
③ 犯罪行為に2の罪の犯罪行為を含む罪
④ 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律4条、5条又は6条3項もしく4項の罪
⑤ ①~③までに掲げる罪の未遂罪
例えば、殺人罪、傷害罪、強姦罪、自動車運転過失致死罪等が該当します。

申出ができる方

① 殺人、傷害などの故意の犯罪行為により人を死傷させた罪
② 強制わいせつ、強制性交等などの罪
③ 逮捕及び監禁の罪
④ 略取、誘拐、人身売買の罪
⑤ ②~④の犯罪行為を含む他の犯罪
⑥ 過失運転致死傷などの罪
⑦ ①~⑤の未遂罪
の犯罪被害者本人や法定代理人(未成年者の両親など)、犯罪被害者本人が亡くなった場合や心身に重大な故障がある場合の犯罪被害者の配偶者、直系親族、兄弟姉妹です。

その他、被害者が利用できる制度

被害者参加制度の他にも、損害賠償命令制度・犯罪被害者法律援助・犯罪被害者給付制度など様々な制度があります。