コロナによるイベント自粛にまつわるQ&A
Q1
政府や自治体から、イベントの自粛要請がありました。しかし、それを拒否してイベントを実行し、参加者の中から新型コロナウイルスの感染者が出た場合には、感染した参加者から損害賠償責任の追求をされますか?
A1
イベント開催事業者は、ただ単に、イベントを開催するだけでなく、条理上、社会通念上、当然に参集者の生命や身体等の安全を確保すべき注意義務を負っています。参加者の多くが、コロナウイルスにり患したとなれば、同社は当該義務に違反した可能性があり、責任追求される可能性はあります。
Q2
コロナウイルスの感染拡大防止のため、イベントを中止しましたが、すでに販売済みのチケットの払い戻しをしなくてはなりませんか?
A2
通常は、イベントが中止となった場合でも、チケット代を返還しないという規定があった場合には、消費者契約法10条の関係で問題になります。(消費者の権利が制限されたり、義務を加重にしてしまう条項、民法1条2項に規定する信義則に反して消費者の利益を一方的に害する物は無効)しかし、イベントが中止になった場合でも、主催者側が準備費用を負担しており、次回イベントの参加振り替えをするなどの消費者の不利益を緩和する措置がとられている場合は、一概にチケット代金の返還をしないことが信義則違反になるとはいえないというケースもあります。そして、特に、中止の場合の規定がないときは、民法536条1項の適用により、チケット代の返還をする必要があります。
しかし、自民、公明両党が、4月2日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、経済対策として税制面での支援策をまとめたようです。そのなかで、開催の延期やチケットの払い戻しについて、チケットを購入した人が主催者に払い戻しを求めなかった場合、寄付とみなして税負担を軽減するということが盛り込まれています。
(富山を支える会社を弁護士の立場からサポート|浦田法律事務所)