離婚と弁護士
会社の従業員から離婚の相談を受けた。自分自身の離婚について相談したい。など実際に離婚に関する相談は、多いです。
離婚の問題は、弁護士に相談する必要があるのか否か・・・
弁護士から離婚に関するアドバイス
離婚届を提出すれば、離婚はできますが……
夫婦で離婚することを決めれば、あとは離婚届を提出するだけで、離婚は成立します。このような離婚の方法を「協議離婚」といいます。厚生労働省の統計(平成21年度「離婚に関する統計」の概況)によると、近年は協議離婚率が低下しているようですが、それでも離婚する夫婦の約87%が協議離婚であり、離婚する夫婦のほとんどが協議離婚をしていることになります。
夫婦双方が共に納得して離婚するのであれば、まったく問題はありません。しかし、離婚には財産分与や慰謝料、養育費などの問題が通常伴います。これらについてもすべて話合いをして、納得した上での離婚であれば良いのですが、このような権利があることを知らずに離婚してしまうと、結果として損をしてしまうケースも考えられます。
また、住宅ローンを組む場合に、夫婦が連帯して債務を負ったり、保証したりするケースが多くあります。このような場合、離婚をしても住宅ローンの支払義務がなくなることはありませんので、何も手当をしていなければ、忘れたころに金融機関から請求書が届く可能性もあります。
このように、離婚には様々な法律問題がありますので、離婚届にサインをする前に、どのような法律問題があるかを確かめてみてはいかがでしょうか?そして、このまま離婚してもいいかを一度冷静に考えてみることをおすすめします。
話合いができたら、離婚協議書を作成しましょう
財産分与や慰謝料、養育費などについても話合いがまとまれば、それを書面(離婚協議書)に残しておくことが重要です。なぜならば、口約束だけですと、後で「そんな約束はしていない」などと言われ、約束を守ってもらえない可能性があるからです。
離婚協議書は、夫婦で取り決めた事項を記載して、最後に夫婦双方が署名押印すれば完成です。しかし、離婚協議書の記載にあいまいな点があったり、不明確な点などがあると、後で問題が発生することも考えられます。したがって、離婚協議書の作成は専門家である弁護士に依頼されることをおすすめします。
どのような法律問題があるかを確認するだけでも、ご相談ください
離婚には、多くの法律上の問題があります。したがって、離婚届や離婚協議書にサインをする前に、「自分のケースではどのような問題があるのか」ということを十分に確認されることをおすすめします。そのためにも、まずは専門家である弁護士に相談してみてはいかがでしょうか?